K字回復経済
米国進出、起業、撤退、再編の実態
日本国内の飲食、観光、旅客、航空産業は厳しい実情を背負い続けている。訪問者の日本誘致を目指して、観光誘致ビジネス拠点を米国西海岸に2019年末に立ち上げた日本の観光、旅客、ホテル事業の企業は、2020年末に撤退、支店を抹消させた。
日本国内の百貨店事業、電鉄の旅客、ホテル事業全てにおいて非常に厳しい状況との事である。その一方では、長年日本国内で成長を続けてきた調味料系の会社は独自で2019年度にカリフォルニア州に拠点を立ち上げ、倉庫を確保し、日本から商品を米国輸入し、卸事業に力を注いでいる。巣篭もり需要に下支えられ、デジタル・電話営業で、顕著に注文を増やし、今では様々著名な飲食業界の方々から好評を得て受注を受け始めている。
コロナの影響は鮮明ではあるが、海外でも地域・国の選定、商品、販路などを強みに持っている会社やそのデータ、経験値、人材は、このようなパンデミックで事業の運気を変える大きなきっかけを持つ。
経営者、拠点の担当者は、その機運を活用できるか?気付くことができるか?動けるか?は重要で社運ともなる。
英国と米国は早いワクチンの配給で経済の元通り化が進む。年末、来年に向け、再度のワクチン配給計画も進む。やってダメなら他方を挑戦する。批判はせず、国民と共に険しい世を渡り歩く。やはりパイオニアスピリットが根付く国柄ならではの回復である。
米国の飲食、観光、旅客、航空産業は、世界どこよりも早く回復を見せるであろう。大手航空会社の株価はそれを予知するかのように売買が続く。日本経済は、米国市場の直接的な影響を受ける。米国への展開を早期に進めてきた会社は、光が見え始めている。アメリカに拠点があることで、日本の半年、一年後の末端経済が予測できるとも言われる。
米国市場と日本市場とは、規模、文化、行動も大きく違うが、結局日本は戦後アメリカを見てその恩恵を受け、回復/高度成長を成し遂げ、独自のバブルを作り、そして崩壊してきた。今はそこから回復、高度成長をする理由がない。焼け野原でもなければ、飢え死にする実態でもない。
何がどうであれば、幸せと言えるのか?
米国、アメリカ人には、その目標や退職年齢等の具体性がある。
K字回復は運ではない。そのように運気を仕向けてきた結果の“社運/人生”である。同業界全てが、一方景気になっているわけではない。