様々な再編が起きているアメリカ市場

進出/登記/再編/縮小/拡張時のM&A企業戦略
Hudson’s Bay社(Macy’sやSaks Fifth Avenue、Lord & Taylor等の百貨店の持株会社)がWeWork社と提携して販売面積を賃貸事務所に転換する方針を打ち出した。
同様に郊外型百貨店のJCPenney社は、長年の経営難からコロナの打撃を受け、不動産コンソティアム企業に身売りをし、その不動産会社は多くの百貨店拠点をアマゾンの物流拠点とすべく交渉を進めている。米国では巨大企業から家族経営の中小企業まで、様々なアイデアを持った再編が続く。

事業展開・再編

日系企業の米国市場の進出、拡張、再編も、様々な案を持って展開すべきではないかと思う。

例えば進出の際には、”ゼロ”から支店や支社登記をして赴任者を送り込み、自社で全てを賄おうとする案ではなく、既存の類似/戦略に見合った事業と提携(から始め)し、その相手先が成長できる支援策を考案してはいかがだろう?
ただ、その際に重要なファクターは、うまく事業が遂行(提携等)できなかった際にでも、その価値を常に保持し、売却/身売りができる価値を意識し続ける事である。アップル社創業者であるSteve Jobs氏がPixar Animation Studios(PAS)をDisney社に身売りを決めた際に、最も重要視していた事項はこの点である。Pixar Animation Studiosを Disney社の傘下にさせる事には同意をしたが、企業統合(子会社として分けての経営)はさせなかった。Disney社はPASを連結経営のみに留めさせ、作品の配給権や商品権の権利獲得を主としたM&Aであった。

現地拠点

提携/買収時に不動産が含まれていれば、事業の結果が出なくても5-10年間の経費やロスは全て不動産の評価益で賄えるケースが殆どであるが、物流/製造事業者は殆どのケースで拠点を賃貸をされる。
(例)2015年にSan Francisco、San Mateo、Santa Clara郡で、それ相当の物件を購入されていた際には、現在価値で2倍、少なく見積もっても6-8割の元本の額は値上がっている。
$3m の投資で、$3m から$2.7m 、年間にして約40~50万ドルの値上がりである。その額は駐在員や現地雇用1-2名、事務所経費を賄える計算である。
最近では無人子会社設立、日本からの出張/リモート経営の方々も目立つ。