顕著に現れている日本人経営者の傾向

弊社では、駐在員事務所・現地法人の方や、起業された方、商売を引き継がれた方、様々な方が多勢お客様にいらっしゃいます。また必ずしもこの地での会社が、利益を上げる必要はなく、研究、開発、マーケティングのコストセンター拠点である方々もおられます。各々の趣旨で成功を収め、オーナー・株主・本社に貢献、評価され、成功されている方々はその特性が顕著に表れているようです。決して学歴や所属組織ではなく、単純な要因のようです。

タイムマネージメント

異文化の地でアメリカ人と折衝をする場合、その考え・対応・依頼案件の返答は、理想の内容や必要なタイミングで得られていますか?
この読みが1週間以内レベルの単位で仕事の庶務がこなせていたら、思う通りに事業は遂行されているはずです。しかし容易で無いようで、まずそのような方はおいでになりません。
その読みが的確に判断でき、予定と予算に反映出来る方々は、事業も成功をされているようです。
『判断が狂う前提で余裕を持って予定と予算を組んでいる方』がこの点での成功者です。というのは、文化が異なれば、常識も価値観も違います。
工場や在庫を持っている場合、1日の出荷や生産が10万ドル単位であれば、10日で億単位の事業ロス/狂いになります。
《なれるまでに米国滞在平均年数:3年》

持続性

同じことを繰り返す事が出来る忍耐と持続性、そのエネルギーがあるかです。
米国で販売を目的としていて、3年以上業界の主要展示会に出展や訪問をされている方は販売実績がほぼついています。5年以上でほとんどの方は利益が出ています。主要都市10都市以上を毎年(月1都市)回れれば必ず結果も出るものです。
もちろん、交渉力や折衝力の有無は左右しますが、『日本人』であることや、『日本製』を販売される方々は、英語が話せなくても当初より信頼を得られます。販売に資金回収の契約ができれば必ず実績となります。
調査やマーケティングも同様に『続けられているか』が鍵で、市場を考えすぎてあれこれしすぎている方々は実績に繋がっていない傾向があります。
《なれるまでに米国滞在平均年数:5年》

結果逆算方式

『市場を読めるか?』、『想定できるか?』です。
アメリカ人がいかなる行動を取っているか?、何を買っているか?、何で喜んでいるか?ということです。和食店やラーメンは流行っていますが、アメリカの一部に限ります。中西部の田舎町では同様の認識は存在しません。しかし中華料理で焼ソバやラーメン的な物は必ず食べられています。
その店や会社で、何が、何時、何個、誰が買っているか?。この”誰か”が鍵です。
人種をみてください。アジア系、西(東)欧州系、アフリカ系、南米系、中近東系、等々その行動や時間帯。製造業であればどのような人種が卸の担当で、エンドユーザーが購入をしているか?単一人種国家の日本では想定できない結果が出ます。その結果を先に読み、遡って予算・予定を組み立てられる方々。は成功されています。
《なれるまでに米国滞在平均年数:5~10年》

想定/仮説が堅実

仮説を立てたり、想像をしたり、バカなことを考える事、真面目な日本人は非常に苦手のようです。
米国で、.comバブル崩壊、9.11ショック、リーマンショックの後に消費者市場がどのようになったか想像できますか?それは、ゴルフ場が混んだ。遊園地に平日の来場者が増えた。キャンプ場も混んだ。です。
その付け(クレジットカードの支払い)が回り、施設は閑古鳥がなき、国内の景気が後退をしたのです。GNPで悪化したのは、半年先のことです。
そんな事情を読んでいた、某メーカーの幹部は、市場陥落後即、航空便で在庫を補充、市場で多額の利益を出し、景気後退前に在庫をほぼ通常の30%まで落とされていました。名物幹部で現在本社の役員をされておいでです。
飲食店は来客数・回転・客単価が鍵となります。
例)夏休み期の仮説を立てられますか?という事です。毎年傾向が変わりますが、子供(周囲の小、中、高、大学の)休み期間を調べられれば堅実な読みが出来るという事です。
《なれるまでに米国滞在平均年数:3年、仮説が立てられるまでに:5~10年》