Tag: 駐在員

2022-07

日米の金利差拡大をきっかけに続いている円安。ドル・円為替レートは1990年、91年に付けた140円に迫る勢いである。 1980年からの約42年間の経済成長率平均は、アメリカが2.5%、日本が1.47%と、この差が40年以上も続けば、対米国のみならず、日本の世界主要国との格差がどうなるのか見過ごせない。 80−90年代は日本からアメリカ及び欧州旅行は約20万円程度で気軽に行けた時代であった。日本への輸入状況も良く、雑貨類など輸入製品でありふれ、ガソリンも今の半額程度まで安かった。 しかし、かつての “Made in Japan” の魂は変化し時代に追いつけていない。人口の減少、産業の空洞化など、原因の情報は後を絶たない昨今となっている。 世界的に飛躍を遂げ、世界市場を獲得し続けている企業・産業は、戦後より政府に保護されてこなかった業種が多い。(ソフトバンク、ユニクロ、日本電産など) 一方、保護されてきた産業は衰退に直面している。戦後にかかわらず、2000年以降でも世界進出に経営資源を費やしてこなかった企業は、日本国内同業他社同士との”市場の食い争い”に巻き込まれているように見える。 先端技術・高度精密技術や食文化などは、方向性を間違わなければ、世界市場を大いに獲得できることは既に先陣企業によって証明されている。しかしこの動向は戦後の護送船団方式的な風潮はなく、ごくわずかな経営者と企業のみが進出、成功している。 この実態が日本を貿易赤字に陥り、為替も経済成長もコロナや戦争という切っ掛けに押され、陥落する事態を招いたと言える。 2012年から2019年の安倍政権の経済平均成長率は0.58%と戦後の最悪期の数字となっている。 このようなドル高為替相場や日本の経済成長の実態は、少なくとも10〜15年は続くとみられる。ドルは円で40ー50%程度の割高感が続く。例えば、日本の5千万円の住宅は、約$36万ドルで購入ができる。(20年前は$50万ドルの価値であった) ドルで稼ぎ、ドルで貯蓄を続けるべきであろう。できれば日本での手当は全てドル建てで得るべきである。そしてインフレが適度に続くとみられるので、米国・ドル資産に置き換える(投資する)べきであろう。米国で住宅が購入できる方はできる限り購入をされ、帰国などやむを得ない時に売却すれば、仮に日本帰国となった時に、ALL CASHで住宅の購入が出来得るであろう。 目先のドル高は為替レートで1ドル=150円がピークと見て、今後5−10年の資産形成の方向性を見極めていくのが望ましい。

2018-06

管理/営業、契約業務の外注 雇用(目安最低5名)を多く生み、全て支社/支店で業務を行なっている会社と、駐在員1-3名で現地雇用を1-2名(市民)程度雇用している会社でのビザ取得有無の傾向は明らかです。 上記が困難な場合は、駐在員(ビザ)は1名に抑え、他業務は全て外注。(あるいは2人目の赴任者は永住権を取得)人事、総務、税務、経理に加え、物流・荷受・在庫管理や、受発注(PO、資金回収)等、本質的な業務以外は全て外注する手立てが有効です。(L1A,Bビザ、Eビザで、のこのような業務を赴任者が行なっていれば、ビザは下りないのが現状です。) 赴任者は本質的な米国企業との折衝、交渉、技術検証、企業訪問に集中をされ、外注が可能な業務は全て外出しをする。ただ、米国での従業員・レップ(販売委託者)を起用した事で安心をされ、実質2-3年経って成果がでずに、その後自身で営業を見なおして結局3年経っても売上・黒字化が見えないケースの会社・担当者もいらっしゃいます。販売経路の立案・契約・結果に対して、成功報酬制でレップに委託。あるいは、契約結果に応じた販売委託契約をするなど、レップ/コンサルティングは余程の魅力がない限り、販売 契約のみで、成果をあげないケースが度々見受けられますので、その見極めも重要な課題となりましょう。 支社/支店運営から出口 ~事業売却または赴任者帰国まで~ 皆様の任期期間内での目標・ノルマは何でしょうか? 達成ができたら特別報酬や会社の株式やオプションなど貰えるでしょうか? 数年この地で働いていると、米国の日常で、 そのような対比疑問、転職、起業などを想像・夢見ることが理解できます。 現地で会社を辞めたい。日本には帰りたくない。自分には実力がある。会社を変わってもやれる?もっとやりたい! など、多くの方が様々な悩みを抱えております 。 自分に自信があっても無くても可能性があるのがアメリカです。日系の現地法人を幾度か変わり、成功されている方もいらっしゃいます。米国の会社に転職し、永住権を取得された方、また解雇された方も様々おいでです。一方、赴任期間の仕事を全うし、一旦ご帰国されてから日本で転職され、その後再度赴任される方もいらっしゃる近年です。転職先企業での赴任条件が、“永住権を取得”とされて赴任、永住権取得、その米国現地法人で10年以上勤務し住宅を購入、そしてご家族で幸せに米生活を送られている方も見られます。 ご自身の会社、幹部、共同経営者は何の為に会社を保有/運営されていらっしゃいますか?生活をする為か、売却/株主の為に利益を産む事が事業運営の主軸にあろうかと思います。 生活の為であれば、純利益です。売却益であれば株主資本率、純資産、ROEなどの財務指標は重要です。 独立系会社でも支社、支店でも何かしらの買収/売却価値は作れます。スピンアウト/幹部で会社を買い取り、米国に残る事も(ビザ工夫で)可能です。 将来に向け、是非現状ご検討ください。

2016-09

顕著に現れている日本人経営者の傾向 弊社では、駐在員事務所・現地法人の方や、起業された方、商売を引き継がれた方、様々な方が多勢お客様にいらっしゃいます。また必ずしもこの地での会社が、利益を上げる必要はなく、研究、開発、マーケティングのコストセンター拠点である方々もおられます。各々の趣旨で成功を収め、オーナー・株主・本社に貢献、評価され、成功されている方々はその特性が顕著に表れているようです。決して学歴や所属組織ではなく、単純な要因のようです。 タイムマネージメント 異文化の地でアメリカ人と折衝をする場合、その考え・対応・依頼案件の返答は、理想の内容や必要なタイミングで得られていますか? この読みが1週間以内レベルの単位で仕事の庶務がこなせていたら、思う通りに事業は遂行されているはずです。しかし容易で無いようで、まずそのような方はおいでになりません。 その読みが的確に判断でき、予定と予算に反映出来る方々は、事業も成功をされているようです。 『判断が狂う前提で余裕を持って予定と予算を組んでいる方』がこの点での成功者です。というのは、文化が異なれば、常識も価値観も違います。 工場や在庫を持っている場合、1日の出荷や生産が10万ドル単位であれば、10日で億単位の事業ロス/狂いになります。 《なれるまでに米国滞在平均年数:3年》 持続性 同じことを繰り返す事が出来る忍耐と持続性、そのエネルギーがあるかです。 米国で販売を目的としていて、3年以上業界の主要展示会に出展や訪問をされている方は販売実績がほぼついています。5年以上でほとんどの方は利益が出ています。主要都市10都市以上を毎年(月1都市)回れれば必ず結果も出るものです。 もちろん、交渉力や折衝力の有無は左右しますが、『日本人』であることや、『日本製』を販売される方々は、英語が話せなくても当初より信頼を得られます。販売に資金回収の契約ができれば必ず実績となります。 調査やマーケティングも同様に『続けられているか』が鍵で、市場を考えすぎてあれこれしすぎている方々は実績に繋がっていない傾向があります。 《なれるまでに米国滞在平均年数:5年》 結果逆算方式 『市場を読めるか?』、『想定できるか?』です。 アメリカ人がいかなる行動を取っているか?、何を買っているか?、何で喜んでいるか?ということです。和食店やラーメンは流行っていますが、アメリカの一部に限ります。中西部の田舎町では同様の認識は存在しません。しかし中華料理で焼ソバやラーメン的な物は必ず食べられています。 その店や会社で、何が、何時、何個、誰が買っているか?。この”誰か”が鍵です。 人種をみてください。アジア系、西(東)欧州系、アフリカ系、南米系、中近東系、等々その行動や時間帯。製造業であればどのような人種が卸の担当で、エンドユーザーが購入をしているか?単一人種国家の日本では想定できない結果が出ます。その結果を先に読み、遡って予算・予定を組み立てられる方々。は成功されています。 《なれるまでに米国滞在平均年数:5~10年》 想定/仮説が堅実 仮説を立てたり、想像をしたり、バカなことを考える事、真面目な日本人は非常に苦手のようです。 米国で、.comバブル崩壊、9.11ショック、リーマンショックの後に消費者市場がどのようになったか想像できますか?それは、ゴルフ場が混んだ。遊園地に平日の来場者が増えた。キャンプ場も混んだ。です。 その付け(クレジットカードの支払い)が回り、施設は閑古鳥がなき、国内の景気が後退をしたのです。GNPで悪化したのは、半年先のことです。 そんな事情を読んでいた、某メーカーの幹部は、市場陥落後即、航空便で在庫を補充、市場で多額の利益を出し、景気後退前に在庫をほぼ通常の30%まで落とされていました。名物幹部で現在本社の役員をされておいでです。 飲食店は来客数・回転・客単価が鍵となります。 例)夏休み期の仮説を立てられますか?という事です。毎年傾向が変わりますが、子供(周囲の小、中、高、大学の)休み期間を調べられれば堅実な読みが出来るという事です。 《なれるまでに米国滞在平均年数:3年、仮説が立てられるまでに:5~10年》