Category: サンフランシスコ

2019-03

サンフランシスコベイエリア・シリコンバレーで不動産を事業や運用に活用 ~不動産活用術~ 不動産を個人・事業で保有していると、一年も経てば様々な個人・事業の融通、保証が伴ってくるのが米国です。特にベイエリアではこの20年、不動産は平均年率で6~15%の上昇を遂げています。7%複利で見ると、10年で倍の価値になっています。堅実な活用術を是非ご検討下さい。 事業経営より、不動産投資の方が利益率が高い! カリフォルニア州で “米国事業を立ち上げるには、幾らの資本金が妥当ですか?” と、いった質問を多く頂きます。では、$300,000の資本金で、5年後(年10%以上の営業利益)に、現金約$480,000にできるでしょうか? 単純に不動産投資をされた場合、資産価値としてはそれ以上の評価額が出ているのがこの地での20年間の平均です。(ローン比率、土地・物件で変動) 現金$1m(約1.1億円)があれば、家賃収入で年間表面利回4-5%程度に合わせ、年間8%程度の値上がりを加えると、単純に(複利)で5年後には、約$2m(約2.2億円)の現時点での資産・現金価値の算定になります。それは事業を営むより、不動産投資をし、人を雇わず、事務所も借りず、保有をしているだけで儲かるという事を意味します。 $300,000(3千3百万円)のみキャッシュの場合、(ローンを組み、経費、不動税等々支払い後)資産価値は$1.6m(1.8億円)程度の資産価値が概算で評価となるでしょう。 勿論、ビジネスは将来性、社会性、雇用を生みますので、一概に数値だけでは比較はできませんが、この概算数値を比較されての不動産保有を検討下さい。 日本と米国での評価の違い 弊社の客様で、1990年代にグーグルの本社があるマウンテンビュー/Mountain View市で約$420,000で一軒家を購入され、2005年、2015年にその価値が、$1.2から$1.4となり、その不動産を担保に最大で$300,000の事業ローンを得られました。 その資金を半導体事業の製品開発に投資。その後事業(製造と販売網)を売却。ご自宅も同時に売却。65歳を機に約$2mの現金を手にされ、日本へご帰国。 東京にて約5千万円のマンションを現金で購入。残り約1億5千万円のキャッシュを保有。 生活費は米国と日本の年金。日本での日々を満喫されていらっしゃいます。2013年に新築で購入されたそのマンションは2割下がり現在価値で4千万円だそうです。 先に述べたように、ベイエリアで不動産は年間6~15%の上昇(ただし米国どこでもではなく、他のエリア、他州においては遥かに低い・下がっている土地も多くあるのでご注意ください) 東京でも一等地・物件でなければ、値上がることはまず無いででしょう。(土地の価値は硬い) 昨今、弊社の富裕層の客様は米国の不動産と日本の不動産を購入・保有。米国での値上がり分を日本での一軒家(土地の価値を保有するため)売却の損益に当てる投資手法で運営されるケースが増えております。 不動産担保ローン 個人・事業主で、条件は様々ですが、米国では事業の売り上げ・利益の内容次第で、ビジネスローンが受けられます。そこに不動産を保有されていると、レバレッジが効き、さらに借り入れが可能になります。その使用用途を制限されるケースありますが、不動産であれば、エクイティー、純保有資産(現在価値―借入額)の3-4割程度までは借入が可能です。 例)$1.2mで購入された不動産の現在の価値が$1.8mで、借入額が$800,000の場合。 $1.8m―$800,000 =$1m $1mの3割として、$300,000を借りられます。この$300,000を担保に、約$1mの一軒屋を購入する事が可能です。 ただ、この手法は自転車操業となり、不動産が下落した際(日本のバブル崩壊)に破たんを招きかねません。ですので2-3年で先行きの金利動向・景気の先読みが重要となり、金利の変動・方向性が変わる際にレバレッジ(借入限度額とう)を算出し、リスクを軽減する手法が効果的となります。 ジャパンコーポレートアドバイザリーでは米国全土で約$181m(約200億円)の資産の運用を致しております。事業投資、不動産運用、様々な投資のアドバイザリー。まずはお気軽にご相談ください。

2018-11

半導体スーパサイクル説はどうなっているのか? 今各企業の市場価値がそれを物語っています。IT次期世代の川上となる半導体大手装置メーカーApplied Material社、KLA-Tencor社は多少反発はあるものの、この2ヶ月で2017年1月時の収益予想収益率まで下落。Texas Instruments、ASML、Tokyo Electron社は、2017年4-9月の予測収益率です。各々の先物(2019年3月、6月)のオプション行使価格を見ると、下げと上げの予測取引高が均衡されている状態です。今、市場が注目しているのは日々の動向ではなく週単位で何兆円($10-30bn)のポートフォリオを入れ替えるヘッジファンド/Private Equityファンドの動向です。GAFA、FANG等の主要ハイテクの収益が良くても、主要製造メーカーが成長できるための設備投資/市場借入債券金利が上がれば収益を圧迫しかねません。この1-2年の好景気はあくまでもトランプ政権の政治活動の期待値で良かったという事を物語っています。 とりあえず11月のFOMC会議で、今年重ねて利上げをして来たFED中央銀行は利上げを据え置き、12月の同行を注視しています。(あがらない予測が大半) 2000年のITバブルの際は半導体需要はPC向けでしたが、現在はIoTという言葉に代表されるように「全ての物を情報ネットワークに接続」という時代。その「全ての物」には半導体が必要となり、半導体関連企業の業績、実需要と供給が注視されています。 今週サンタクララで『IOT TECH EXPO North America』の主要展示会がで開催されました。ここには大手の運用ファンドのマネージャー/投資家マネージャーが市場を探り、今後繰り広げられる会社の空売り、投資、バイアウトの集約戦略が繰り広げられていました。どの産業にどの投資先企業を集約し、上場、売却するかの見極め戦です。 今週アルゼンチンG20首脳会議での米中首脳会談で市況の下支えが見られれば、年末に向け上向き景気で年末を迎えることなりましょう。やはりトランプの出方がすべてをにぎっています。 記事:ジャパンコーポレートアドバイザリー 代表 平井 聡

2018-11

~民主党下院を制覇・FOMC貸出金利利上据置~ 現カリフォルニア州は民主党の州。現ブラウン氏州知事、そしてニューサム新知事(元サンフランシスコ市長)も民主派。ニューサムのお父様(元州地方長官)には私個人的にもお世話になりましたが、有名な民主思想家です。この方々はゲッティー財団(元ゲッティー石油、TEXACO社に吸収)の資金に密接な繋がりがあり、ベンチャー事業への投資・融資、下院委員の(SF選挙区)ナンシー・ポローシーさんの支援元でもあります。オバマ政権以来、民主の下支えが色を増す地元社会となると言う事でしょう。ベンチャーマネー(サンフランシスコ・シリコンバレー界隈)での先端技術・IT新発想的な事業は民主系資金が大半です。 ビザ・査証への影響 この1年半程、日系企業の赴任者ビザ取得では皆様アメリカ領事館の面接で、“アメリカ人を雇用しなさい!”と脅されて参りました。現法・支店での現地雇用に対しては非常に厳しくなり、運が悪い日系の方が(SFO、SJ)空港で強制送還に見合うケースも聞かれます。大統領は大統領発令権を持っています。上下院を制してきたこの2年間は共和党のやりたい放題でしたが、下院を征した民主党の力が巻き返し、移民方針を緩和する傾向が徐々に進む事でしょう。 Eビザは日本のアメリカ領事館、米国外務省Secretary of States管轄です。先日ポンペイヨ国務長官が日本を訪れ、駐日米国大使と面談をしております。暫くは日・米関係の厳しい規制は続くことでしょうが、2019年後半から緩和が期待できそうです。一方、駐在員Lビザは米国内で移民局にビザの申請承認を取り、直接的に議会/発令に影響されますので、Eビザよりは緩和のスピードは早まることと期待されます。 この12-18ヶ月間の好景気はあくまでもトランプ政権の政治活動の期待値で良かったという事を物語っています。下院を制した民主党の活動に注視したいものです。 記事:ジャパンコーポレートアドバイザリー  代表  平井 聡

2018-10

『 VIRAL(バイラル)』 ベイエリアでは常用語となったバイラル(VIRAL)。 ウィールスのように繁殖すると言うことです。 IT: ITでのソフトウェアは1つ作る事で複写ができ、瞬く間に普及し、マイクロソフトのOUTLOOK、WORD、EXELは、象徴的を具体化させ、我々のビジネスの根源を支えています。昨今のSNSなどはVIRALと称され波及。AI、VR、シェアエコノミーは昨今の傾向でこの世界のべンチャー・スタートアップは、$50m〜200m(ドル)、最近は1千億(円)以上の投機資金を一度に得て、VIRAL化します。 UBER、 Airbnb、NVIDIA、Google、Facebook、WeWork等が『成功するか?』ではなく、『投資家が数社集り、VIRAL化から上場までの道筋を描くその道筋で、経営幹部(ヘッドハンター)、証券会社、監査法人、銀行、税理士、弁護士事務所から(各々のキャリアーを投げだし)引き抜き、絶対的な道筋を作り上げる。』、のが昨今のシリコンバレーの傾向と言えます。この筋に乗れている日本企業ではソフトバンク社が有名です。 物販・物流: 一方、IT系に限らず物流・物販でも十分VIRAL化で米国市場を確保している方々がいらっしゃいます。 米国は消費大国。インターネットで消費材を購入する比率が、現在は約37%。食材は20%。そうは言っても、未だに店舗での購入は大半の40−80%。店舗、インターネットだのと、区分けをする暇も無く、売れる物は売れるのが実状でしょう。 巨大化したWalmart、Kroger、Albertson、Safeway、Costco、Trader Joe’s、Whole Foodsは、商品群の選別から在庫の管理を自動化、AI化に取組み、従来の店舗人員を削減し、経営の機械化に人員を強化しています。 店頭では、棚から消費者が手に取って購入していく醤油・味噌・ソースなどは日系企業が地位を築いています。しかし日本の家電は全米の店頭から姿を消してしまいました。 自動車は70年代の貿易摩擦を乗り越えVIRAL化。(ここに来て苦境に迫られて羽織りますが…) 弊社お客様の中には、全米店舗数5300店を持つ大手の小売店企業に合計契約金額$18.6m/20億円(1店舗50個、契約時納品数265,000個、一点納品価格$70。)の納品が決まり、以降順調で3ヶ月に一度その2倍近くの受注をとり続けているとの事です。1店舗で一日1個売れている計算となります。 ところが一部30%は日本産、70%が中国産だった為25%の関税が掛かったことで、来年度中に米国産に切り換える経営戦略を練りはじめています。更に利益率があがる計算です。(工場の投資は7.5年で回収予定) このメーカーの勝因は一人の営業マンでした。 2年かけて全米5300店舗ある州の主要店舗を回ったと言います。州が変われば国が変わる以上の違いを乗り越えた例です。 VIRAL化は”人の行動の監視の方程式”が原点のようです。 日米主要参考大手小売店