向かう場所はバーチャルとEV

先進各国の経済が正常に戻りつつある中で、その牽引となるのが物流問題である。以前より激化してきている米中の貿易問題が、コロナの影響が向い風となり、更に貿易(物流)の事態は悪化している。米国西海岸の最大貿易港(ロサンゼルス・ロングビーチ、オークランド)では多数のコンテナ船が入港を待つ日が続いている。コンテナ・就労者の不足、衛生の対処が主な原因である。その結果、主要国では輸入物価のインフレが台頭し始めている。そこに追い討ちを掛ける様に、サウジアラビアの原油減産で世界の石油価格の上昇、エネルギー価格インフレも気がかりとなる。

商業の世界では、兆円単位(何十Billionドル)で世界はEV(電気自動車)とVR(仮想空間)の世界に移行している。テスラ社とハーツレンタカー社への納入契約。フェイスブック社の(メタへの社名変更)VR市場への経営集中化。ルーシッド・モーターズ(Lucid motors)社の高級電気自動車の初の販売開始。AMAZONが大株主のEV企業、電動トラックのスタートアップ企業、リヴィアン(Rivian)社の上場(約$60bn,6兆円以上)。電気と仮想空間産業が明日、来年にでも世界を変える勢いで北米ではバーチャル空間の商談は日々まとまっている。

空港や公共の駐車場に設置されてい充電機
テスラ社はTarget など大手スーパーやショッピングモールの駐車場に専用の充電器が設置されている。

「世はコロナ以前の様には戻らない」と皆言う。しかしどの様な世の中になるのかは、誰も明確にはできない。前述の経済状況の中で世界を相手に、産業構造を変えるであろう起業家、政治のリーダーがそれを導いている。しかし今や米国でも、民主の腑抜けと見える政治状態になっている。やはり”企業戦士”が必要なのではないであろうか。

Facebook社がメタ社への改名と合わせてVRヘッドセットのOculus (VR) もMeta Questsとなって、Facebook Reality Labs(FRL)が置かれている、サンフランシスコ国際空港目の前のバーリンゲーム市に、V Rの北米拠点として所在する。
コロナ以前には5千人以上の従業員が通う拠点の予定とされて、元ドライブインシアターがあった空き地に数年かけて建築が進み、2022年春には完成予定である。ここが拠点となり、世界間でバーチャル交流ができる体制を試みている。そしてそれを支えるエネルギーは全て電気であるであろうと言う構想。

Facebook Reality Labs(FRL)が置かれるサンフランシスコ国際空港近くのオフィスビル
Mountain View に置かれるMeta社本社のシンボル

物作りの金型はエンジン/炭素系機械製造から電気構造に様変わりしている。アメフトのチームSteelersで有名なピッツバーグ市周辺(鉄鋼で繁栄した中部地域)では鉄鋼が電気構造に遅れをとっている。

脱炭素、コロナ、環境問題など、様々な社会問題と異変を通り抜けた先で、我々は浦島太郎になっているのか?主役になり続けられるのか?