新型コロナウイルスの影響(5)米国の状況/経済

2020年4月9日、最新の情報をまとめましたのでご一読下さい。
米国、4月9日の失業保険申請者数は660万人。この3週間で合計約1700万人。通常の経済活動下での失業保険申請者数は週数万人程度である。全米の労働人口が昨年度で約1億7千万人だったので、見事に約10%の労働人口がこの3週間で失われた計算になる。6月時には10−15%程度の失業率が市場で予測されている。(本年度1月時の失業率は3.4%、リーマンショック後2009年には約8%)
一方ここ4週間の株式市場の高騰(約20%)は1938年来の上昇率でもある。殆どが大口の年金ファンド/ヘッジファンドの買い戻しなので、この戻し相場が一段落した後が怖く、企業や米国経済全体、証券市場はまだ6月までの経済事情しか織り込んでいない。皆様の事業も恐らく5月しか見えておらず、6月、7月は通常には戻らないであろう。という程度でしか予測できていなことと思う。

米国政府は中小企業局(SBA / Small Business Administration)と民間金融機関を通じ従業員500人以下の中小企業への融資/中小企業救済支援ローン、PPP / Paycheck Protection Program(源泉、家賃等に対しては救済援助金になる可能性あり)を決めた。ただ、まだ議会での具体承認、詳細の行方は見えてはいない。
米国中央銀行(FED)では世界の主要国に米国債券を担保にドルを融資している。世界の中央銀行の役割を担っているのだ。(今後のドルはさらに主軸になると予想される。)
さらにFEDはここ数日で全米各地主要の州、郡、市の短期債券を購入している。主要都市への公的資金大量流入である。(郵便局、清掃、市町村の運営を止めない支援)
また政府は不動産担保ローンや資産担保ローンへの資金供給にも積極的に動き始めた。各地の住宅、商業不動産市場の陥落を抑える趣旨である。住宅、アパート、ショッピングモール、小売、事務所のオーナーへの資金供給である。
家主がテナントへの家賃を免除する・延滞させる。このことを最終的に政府が援助する仕組みに早々に取り掛かっている。

NY、NJ,(全米感染者の55%)では医療崩壊が起きているが、昨日からようやく落ち着きを見せ始めている。マサチューセツ(ボストン)、ペンシルバニア、ルイジアナ、ミシガン、フロリダ、これらの州は今後要注意である。(上記州合計で全米感染者の70%)。全米でロックダウンを初期に初めたカリフォルニア州(全米感染者の4%)は増えて入るものの、封じ込みで各地の病院もベッド数や医療にも余裕はあり、他州の援助に回っている。観光のハワイ州は感染者数500名弱と落ち着きは見えてはいるが、その殆どがホノルル市に集中しているので引き続き注意は必要である。

この先、米国はどうなるのか?

昨日より米国の主要新聞、テレビ報道で、経済回復の方法論が目につくようになった。目処は6月、7月と言っている。ソーシャル・ディスタンシング、遠隔、テレワークの手法。
大統領選挙もデジタル選挙の方向で舵が取られている。集会、演説は無観客。テレビ演説、デジタル演説や投票。感染者/非感染者、回復者の区分け、扱い、社会意識。
スポーツ観戦、スポーツ業界、プロスポーツは9月、10月までは停止されるとの予測。野球/MBL、フットボール/NFL、派生する産業は大打撃である。
また教育分野でもアメリカの動きは早く、全米殆どの学校では時間割でデジタル授業。カリフォルニア州の公立大学では、大学受験(申請)に必須のSAT(大学進学適性試験)の結果提出が免除される。
今は飲食店、会社、公的な土地での今後の活動の方法、ソーシャライゼーションの方法、議論が飛び交い始めている。