今の賃貸住宅、買ったら幾ら?

米国不動産保有者は帰国の機会に売らず、損が出る年に売却

住宅価格上昇が続く中、一体何処までこの状況は続くのでしょうか。

このベイエリアでは特に… “永遠“ でしょう。

ここに来て原油価格の調整が進み、最安値時より約20%の上昇を見せ、インフレ懸念はあるものの金利の先高感が続き、株・債券の乱高下が続く現象が起こっています。第二四半期の米国経済成長率も市場の予測を下回るが堅調さを維持しています。要は、不動産を継続して支払える個人所得や海外マネーが米国に流入し続けているのです。

現在お住まいの賃貸の物件を、契約期間中でも売却市場に出そうと検討している大家さんは多いです。売る際には賃貸者がいる前提で売りに出すのです。勿論、契約は守っているので合法ではあります。しかしテナント側としてはそれが現実となると不安が募る生活事情となります。しかし残念ながら賃貸をしている立場では拒否することは出来ません。

 

購入価格と賃貸価格

希望の高値で売れないが故に賃貸に転換し、販売チャンスを狙う家主も増えています。また米国で60~70年代の住宅保有ブーム時に購入した大家さんが70~80歳代となり、相続関係で手放す事情も見逃せません。

ではその価格と家賃の関係をPrice to Rent Ratio (住宅購入価格と家賃比率)をベースに見てみましょう。

※ Price to Rent Ratio (住宅購入価格と家賃比率)とは全米主要50都市圏の平均不動産価格の物件を購入するのに、年間賃貸支払いの何倍を払うのかという計算。計算式: (家賃収入 x 12)÷ 購入価格

60年から95年までの全米でのPrice To Rent Ratio(年間の購入価格/家賃年収入)は10~15。(例:月家賃が$3,000の場合年間家賃は$36,000。Price To Rent Ratioが15とした場合、購入価格は$540,000) しかし、2000年以降は15を超え、一旦は(リーマンショック後)下落。現在全米平均は20~25。歴史的平均値にその値が落ち着くには住宅価格がさらに現状より約30%−40%は調整をする必要があります。

ベビーブーマーの住宅購入、世のインフレ、情報社会に於ける人口分布の変化、移民の受け入れ等、現代の要素を加味すると全米での住宅の長期傾向は上がる一方と言えます。もちろん景気の調整/海外要因で調整は常に起きるが主要都市は買う機会を逃すと一生買えないという傾向が目立ちます。

ベイエリアでのPrice To Rent Ratioは2016年度には全米一位で46。家賃が月$3,000の住まいは、購入したら$1.6mという計算です。(平均では35~40と言われている相場です=妥当購入価格)『少額だと思い、数年気にしていなかった』等で米国での開示をしてこなかった方々がいらっしゃいます。

 順位 都市名 Price-to-Rent Ratio  

左記数値より-家賃 $3,000/の住宅の販売価格

1位 San Francisco, CA 45.88 $1,652,000
2位 Honolulu, Hawaii 40.11 $1,444,000
3位 Oakland, CA 38.50 $1,386,000
4位 Los Angeles, CA 38.02 $1,369,000
5位 New York, New York 35.65 $1,283,000
6位 Seattle, Washington 35.09 $1,263,000
7位 San Jose, CA 34.72 $1,250,000

 

Using U.S. Census dataより

 

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J-Weekly 1324号掲載 記事広告より