米国コロナ経済からの回帰

米国コロナ経済からの回帰
日系企業の再稼働

丁度一年前だった。3月に異様な空気が経済界に漂い、株式市場は即座に影響を受け、株価は瞬く間に半分以下に暴落した。この世の終わり。。核爆弾が地球に降りそそいだかのような恐怖を全地球が経験した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行による災難や危機的状況で、報道は日々、”100年来年、史上初、過去に無い、想定できない” 等々、人を恐怖・パニックに陥らせ興味を引く記事を日々連載した。

日本と違う米国経済の回復

10年、20年会社勤めをしてきた日系人は30代、40、50 代になり、そう簡単に会社や従事する産業は変われない。一方アメリカでは、会社は勿論、産業、専門を変わる/変わるざるを得ない事情が、急激な回帰の要因となっている。コロナ渦中でのアメリカの失業者の大多数が、航空/娯楽/飲食業界の従事者である。一方、宅配/Online事業/デジタル産業では、この一年で数十万人単位で雇用を続けている。
Amazon社は約この一年、世界で500,000人(内40万人は米国内)以上、FedEx、Facebook、PepsiCo、Costco等の主要企業も数万人を雇用した。。ロサンゼルスのディスニーランドでは4月30日に再開するが、従業員の再・新規の雇用が追いかないという。デルタ航空は4月2-3日の週末に乗務員不足が理由で、数多くの便をキャンセルした。また一方で飲食/娯楽の従事者は、この一年で失業保険を繰り返し受給し、その上に政府の援助金も受け取ってきた事実がある。コロナパンデミックで厳しくなった産業の元従事者は、同じ会社/業界には戻らなくなっているとも言われる。2020年、サンフランシスコベイエリアでは様々なDX系の会社が、SPACを通じて上場を果たした。
初歩のデータ入力系の仕事のポジションも数多く募集している。半導体の工場建設、住宅需要で建築/設計/デザイン系の人材の募集も目立つ。米国文化は常に変化を遂げている。景気の急激な変動によって、働く産業、地域が変わり結果、新たな ”働く思想” が生まれている。

米国撤退から立ち上げ需要の回復

コロナの影響か? 元々厳しかった会社/事情の企業が、撤退を数多くされたように思える。2019年度まで米国市場を確り捉えていた大手日系企業が、その米国子会社を破綻(民事再生法の適用)させた。再生下で買収される企業もいるが、清算となれば5-10年その企業は米国市場で回復はできないであろう。
大多数の日系旅行会社は、現地従業員を一時解雇/離職させた。航空会社は一部路線航路を止めている。飲食店会社の大多数が閉鎖した。しかし米国各地でDrive Throughの列を早期に増やした主要ファーストフード企業は、コロナ渦中で需要を見事に勝ち取った。元々Take Out需要が主だったメキシカングリルのChipotle社は、数年前に食中毒で倒産の危機にまで追いやられたが、今は飲食業界上位の時価総額を誇るまで、このコロナ禍を生き抜いている。
”well navigated….” と表現される企業は、その企業価値が必然と上がっている様に見える。力まず、徹夜もせず、パワハラも起きず、特に人種差別もしない。その上、冷静かつ市場環境にも配慮/優遇している思想がポイントとなる。
世界的に見て、”日本国内で、日本人が、日本人相手” の思想では将来の成長は非常に困難である。かと言って西洋に合わせる必要もない。日本の良さをどう欧米に転換し、思想をマニュアル化にして、ビジネス思想を蔓延化できるかが、この危機の先にある回復と成長であろう。